さわのはな歳時記 2006年1月−

味の箱舟 2006.1    No87  

 取り組みを始めてから3年目を迎えた「花作大根」。昨年の夏頃からスローフード協会の味の箱舟プロジェクトの候補に選ばれたという連絡があったのだがその後音沙汰無しの状況が続いていた。「味の箱舟」はスローフード協会の国際本部(イタリア)が認定するもので国内で決められるものではない。年が押し迫った12月、スローフード協会国際本部から認定され、その記者発表がスローフード協会のイベントと併せて東京の丸ビルで行われた。
「味の箱舟プロジェクト」はスローフード運動の柱のひとつで、その土地に受け継がれてきた魅力ある食べ物を取り上げで後世に残そうというものである。日本からの味の箱舟認定は始めてで花作大根を含めて9品目が選ばれた。山形県からは花作大根のほかに米沢の「雪菜」も入っている。今回認定された品目は何れも希少かつ魅力的なものであり花作大根以外は商品として小規模ながら流通もされている。今回「花作大根」が商品化前に選ばれたことに私たちの3年間の活動が評価された事とこれからの期待の大きさを感じた。
 このような世界的な認定を受けたにもかかわらず認定書の1枚もないと言うことで本部の方に掛け合ってもらったが、イタリア本部の方では前例がないとのこと。すべて形あるものを敬ってしまう日本の常識が通用しないところのようである。
 認証とか検定とか権威につかまろうとする日本と、紙切れよりもそのものを後押しする活動を重視するイタリアの国民性の違いを感じた味の箱舟認定だった


島村菜津氏、名誉会長と横澤

雪 菜 2006.2    No88  

 今年は過去に経験がないほどの大雪に見舞われ家も人もすっぽりと雪の中に埋もれています。冬期間の雪国の農業は何もすることが出来ず、ハウスなどの石油を消費して産物を作る物以外無いものと思っていた。ところが在来野菜の「花作大根」の復活に関わったことから米沢市の「雪菜」という雪を利用したとんでもない野菜と出会うこととなった。
 「雪菜」は秋に収穫した葉物の野菜を根を付けた状態で一度収穫し、寄せて移植し藁などで覆い、雪が降るのを待ちます。そして1月頃から一面に覆われた雪の中で成長した「とう」の部分を食べるという他では例を見ない野菜である。雪の下で成長した「とう」の部分は真っ白で甘みがあり、これを湯通しして漬け込んだ「ふすべ漬け」は独特の辛みがあり日本酒によく合うものです。
 「雪菜」も「花作大根」と一緒にスローフード協会が行っている、味の箱舟プロジェクトに認定されたことから私が実行委員長になり全国の協会員に呼びかけて先日「味の箱舟ツアー」を行った。2m近い積雪の中から「雪菜」を掘り出す収穫体験と「ふすべ漬け」の講習が行われた。この大雪のインパクトもあり、参加した人たちはこの世にも希な「雪菜」の魅力に取り付かれたようである。
 見たり、食べたりする「雪菜」はとても魅力的なものであるが、真冬の労働は厳しくここでも後継者難に悩んでいる。雪国の過酷な条件の中でそれを逆手にとっておいしいものを作り出す。こんな素晴らしいものに正当な評価が得られるよう、バーチャルではない生の情報に接する機会をもっともっと増やして行かなければならないと思った。 


酒ケーキ甦る(よみがえる)デビュー 2006.3    No89  

 先日、12回目の「酒蔵・利き酒コンサート」が東洋酒造で行われた。今年の目玉は酒ケーキ「甦る」である。仕込みの終わった酒蔵には酒ケーキの発表という事もあり、いつもの左党に甘党も加わり100人近い人が集まり盛会となった。
 私たちが作ったさわのはなで「甦る」という純米酒が誕生したのが4年前。さわのはなを使ったレインボープランの酒としてすっかり定着している。「このお酒を使ってケーキを作ろう」という東洋酒造の呼びかけに応えてくれたのが市内の老舗菓子店8店、ほとんどが30代から40代の若手菓子職人である。このような共同企画に取り組むの始めてということでその名前も「菓匠倶楽部」と決めた。
 酒ケーキの開発にはほぼ1年が費やされている。「焼くという行程が入るケーキの製造でいかに酒の風味を出すか」ということが最大の難関だったようである。出来上がったケーキはしっとりと、そしてお酒の風味のしっかり残った「菓匠倶楽部」の名にふさわしいとてもおいしいものになりました。 
コンサートでのケーキの評判もすこぶる上々で、用意されたケーキはコンサートの終演を待たずに完売となってしまった。酒ケーキ「甦る」が長井の名物になるよう応援して行きたいと思っています。価格も税込み五〇〇円とお求めやすくなっております。長井においでの際はぜひお土産にお買い求め下さい。雪 菜

「ヒット商品 2006.4    No90

 農業の分野でもヒット商品が数々あります。コンバインや田植機など機械類はもちろんのこと肥料や農薬にもあります。
 最近は安全性が重視され、農薬ではなかなかヒット商品が出ない状態が続いていましたが、昨年発売された「エコホープ」という薬剤が脚光を浴びています。
 私もこの冬、JAS有機認証の検査員講習で改正された使用可能薬剤リストに入っていたことから注目していた。この「エコホープ」、微生物農薬という分野のもので科学的に合成されたり、抽出して出来たものではない。静岡市内の河川敷に生えていたノシバから採種した微生物を培養したものである。
 用途は春作業の一番最初の行程である種子の消毒に使用するものである。これまで種子消毒は温湯消毒と言われる60度のお湯に10分程度漬けて殺菌するやり方を中心に行ってきた。この方法だと温度の管理がとても難しく温度が高ければ発芽不良になり、低ければ効果がなくなる。種子の量が多くなるにしたがって十分な効果を得る事がとても難しい状況になっていた。
 「エコホープ」は200倍の溶液に24時間ほど漬けておくだけで十分な効果が得られるとのことで早速使うことにした。ばか苗病や苗立枯細菌病などの菌類の活動をエコホープに含まれる微生物が押さえ込むという事である。価格が高いことと微生物の溶液であるから有効期間も4ヶ月と化学農薬から見れば数分の1の期間なのが難点である。
 この手の有機資材は農協では扱っていないのが常識なので、出入りの業者に聞いたところ「残念ながらこれは農協さんの独占販売なんですよ」と意外な答え。
 エコホープのヒットで農協が有機資材に積極的に取り組んで行けば、環境に優しい農業に取
り組む人が増え、さらに有機資材の量産効果で安価になることを期待したい。

畦塗(あぜぬり) 2006.5    No91  

 棚田などでは毎年のことのようであるがたんぼの畦塗をする事にした。目的はたんぼの漏水防止である。水持ちの悪いたんぼでは生育が悪くなるだけでなく、雑草の生え具合、水の量のコントロールによる品質向上も望めない事から数年に一度畦塗作業が必要になる。
 棚田では人力で土を畦に塗りつけるのだが、大きなたんぼでは人力では気の遠くなる距離になるので文明の利器「畦塗機」の登場となる。今まで共同で使用していたものが修理不能なほど破損したため個人で購入することにした。
 使用頻度が少ないものなので、格安の中古をネット上で探し出しお隣新潟県まで引き取りに行った。価格を公開するのもはばかる安価で取引成立。型式は非常に古く今では珍しい、土を叩いて形を作るものである。(今は押しつけて形を作るものが主流)
 ネット上の畦塗機出品に新潟からのものが多いのでその理由を尋ねてみた。その答えは「除草剤の使用量が多いから」。ちょっと理解に苦しんだのだが話を聞くうちに納得。新潟の農家の多くはたんぼの畦の草は刈らずに除草剤で対応しているとのこと。たんぼの畦は草の根によってその形が保たれる。除草剤を使った畦は草がなくなるためその形を保持することが出来ず毎年畦塗をして補修する必要があるのだそうだ。そう言われれば来る途中のたんぼの畦はほとんど塗られた跡があった。
 全面積で毎年畦塗機を使うとなれば高性能の機械に買い換えも多くなると言うことである。昔は「東北6県の除草剤の使用量が新潟のそれと同じだ」と言われた事もあったそうで、たんぼの中で使用する薬剤は減っても畦の薬剤使用量はかえって増えているとのことである。
 草刈りの労力の問題が第一にあるのだろうが、そこに生える植物が消え、虫たちの居場所がなくなることはいつかは自分たちにもその影響が現れて来るのではないかと思った。


ラジデン 2006.6    No92

 たんぼに必需品と言えば「ラジオ」です。農業はさまざまな作業があり、作物や生育の状況により仕事の内容は変化のあるものです。
 しかし、いくら変化があると言ってもある程度の期間同じ作業になりますから飽きが来ます。手足はしっかり動いているのですが頭が空になるとイライラして能率が落ちてきます。その単純な作業のお供がラジオです。
 機械を使わない作業ではスピーカーから音を出し、エンジン付きの機械を使用する時はヘッドフォーンを使用します。ヘッドフォーンも耳の中に入れるタイプもあるのですが耳への影響、機械の音が聞こえなくなる事から耳に当てるタイプを使用しています。
 最近までたんぼへの持ち物はラジオだけだったのだが、もう一つ増えてしまった。携帯電話である。来ているシャツのポケットは1つしかないので今までのラジオに加えて携帯も持つと相当ふくらみ重くなる。さらにはヘッドフォーンなどして電話が来ようようものなら携帯のストラップと線がこんがらかって大変な事になります。
 そこで目に付いたのもが「ラジデン」。写真のように表が携帯電話で裏がラジオという面白い携帯電話です。今までこのふたつを一緒に持つと組み合わせる方向によってラジオにノイズが入ったりしたのだがそれもない。さらにヘッドフォーンでラジオを聞いているとき着信があると自動的に電話に切り替わるというなかなかの優れものです。
2つの持ち物が1つになり大変感激していたのだが、どうもこの機種、生産が完了したようである。テレビを見れる携帯電話は大もてのようだが、ラジオ付きは今の時代では流行らなかったようである。
もっとも田植えの終わったたんぼに常にいるのはアイガモと私ぐらいなもので「ラジデン」の需要がないのももっともの事のようである。

真夜中の大移動 2006.7    No93

 除草剤をやめ、アイガモ除草を始めてから7年目を迎えた。
 私達が始めた頃はまわりにもけっこうアイガモ除草に取り組む人たちもいたのだが、そのほとんどが今はやめている。その一番の原因は外敵による被害である。やめていった人のほとんどはたんぼにアイガモを昼夜を通してたんぼに入れっぱなしだった。日中は良いのだが夜になるとアイガモを狙って、タヌキやキツネなどがやってくる。ひとたび狙われると数十羽が一度にやられることになる。
 そこで私たちはちょっと面倒だが夜は小屋に入れる事にしている。こうすることによって外敵からアイガモを守ってきた。
 1週間ほど前の夜、母が「アイガモの様子が変だ」と教えに来てくれた。ふだんは夜ほとんど鳴かないアイガモが鳴いているという。母の部屋はアイガモの小屋に一番近いためその変化に気づいてくれた。
 小屋に行ってみるとアイガモたちが出口近くの一角におびえたように集まり鳴いていた。小屋の周りを点検してみるとあちこち網が外されており、中には穴をあけられているところもあった。なにかかなり大きいものが近くにいてアイガモを狙っているようだ。たんぼのそばにあるアイガモの小屋は「小屋」とは言いながら仮設のものであるから完璧に防御するのは難しい。そこで、車庫にアイガモを移動する事にした。25羽のアイガモを離れた車庫まで一匹ずつ移動するのは大変なので写真のように運搬車の上に大きな箱を乗せ、そこに入れて避難する事にした。家族総出で、捕まえる人、箱まで移動する人、照明をする人に別れ1時間ほどかけて移動を完了した。
 その後、小屋の補強をして備えているのだが、今のところ敵の気配はない。敵もこちらが対策をしたことに気づいているのかも知れない。しかし、一度狙われたところである。また現れることは十分考えられるのでしばらくは厳戒態勢が続く。

百姓挽歌 2006.8    No94  


俺等は百姓の 跡取りに生まれ
田んぼを引継ぎ 守ってきた
家は代々 屋号で呼ばれ
田んぼを荒らせば家の恥となった

そんな俺等を 虚仮にする
集落営農という 国の施策
4町歩なければ 自分の名前で
米を売れないという 百姓つぶし

  カーン カーン カーン
  野辺の送りの 鐘がなります
  百姓もこの村も息絶えるでしょう
  百姓が支えた この国もまた

 これは影法師の新曲「百姓挽歌」の詩の一部である。私たちは8月2年ぶりのミニCDアルバム「百姓挽歌」(6曲入り)を自主制作による7枚目のCDとして発売する事にした。「百姓挽歌」は国の施策「集落営農」をテーマにしたものである。これから始まる「集落営農」は今までの個人経営中心の農業から大規模経営法人の育成を目指したもので、小規模農家の切り捨てによる農業の変化だけでなく地域社会にも大きな影響を与えるものと思っている。このような大きな変革の時を目前にしながら社会全体はもちろんのこと、当事者である農家の間でも関心が薄いことは大きな問題である。
 このような大きな問題には生産者団体が積極的に声を上げるものであるが、残念ながら上意下達の組織に成り下がりまったくあてにならない。私にはそう核心を持ったある出来事があった。ちょうど1994年コメの輸入を認めるWTOウルグアイラウンドの国会批准の時である。農対と呼ばれる生産者団体の会議の中で私は「この大事な時こそ、むしろ旗を持って国会にデモをかけるべきだ」と主張したのだが、その意見に答えた理事者の言葉は「こうやって話し合う事が運動なんだ」だった。私はこの言葉で上部団体が6兆円ものお金を見せられて口封じされたのだと悟った。
 生産者米価が政府によって決められている時こんな鉢巻き(写真)をしてバスを連ねた国会陳情とはまったく比べようもない情けなさだった。こうして農家の声は外へ出ることがなくなったのである。 
こうして私たちの農政に対する意見は歌に頼ったものになっていった。小さい声ですがぜひCDで聞いて見て下さい


無謀 2006.9    No95  

 4ha未満の農家を切り捨てようとする国の無謀な施策「集落営農」をテーマにした影法師の新曲「百姓挽歌」の発表会を8月25日開いた。「集落営農」自体が非常に複雑で(わざと複雑にしてあるという説もある)一つの歌で伝えられるものではないことからその政策に詳しい方2名を招いての講演会も同時に開催した。もちろん講師は国の政策の実施者である自治体関係や農協の説明には出てこない情報や手法をお持ちの方である。
 政策に詳しい一流の方を話を聞くのであるから参加者が応分の負担をするのは当たり前なのだが、普段、農家の集まりでお金を取ることはまずない。無料で人を集めるのならまだ可愛い方で飲食付きと言うのが常識で補助金と同じですっかり麻痺している。ということで1000円の参加費で農家を集めようという計画は無謀だとまわりはだいぶ心配した。
 あちこちの先進的な農業関係の団体にお願いして50名までは読めるようになったものの、100人が入ることが出来る会場に何人集まるかドキドキものであった。開演の時間になり私たちの演奏が始まる。なんと、どんどん人が入って来るではないか。みるみるうちに開場に準備したイスが埋まって行き、スタッフが隣の部屋からイスを運んでいる。入り口までイスが並んでもう打ち止め。立ち見まで出てしまった。
 一人目の講師の土門さんの演題は「戦後最大のコメ改革「集落営農」、その真相と対策」。土門さんの名前があっただけで後援を断わられるのが納得できる大変刺激的な話たった。もう一人の講師、石川さんは具体的に集落の作付者や耕作放棄地が一目でわかる地図を使って、補助金ありきではない本当の集落営農の作り方を話されました。お二人の話に共通するのは「自分の農業の行き先を決めるのも、地域の未来を決めるのも補助金ではなくあなた方ですよ」と感じた。 ぜひCDをお聞き下さい。



どうなる どうする 農業と食の未来 2006.10   No96

 先日NHKの「こんぱす東北の課題」という東北向けの番組に出演してきた。テーマは「どうなる どうする 農業と食の未来」ということでこれから始まる「集落営農」が主たる内容となった。メインのパネラーに東北農政局長(政策推進の親分)山形大学の楠本先生(集落営農を勧めている)結城登美雄さん(民俗学者、集落営農に反対)島村菜津さん(作家、スローフード運動のリーダー的存在)この4人の話し合いを中心に番組が進められた。農政局長以外は様々な機会にお会いしている農業について深い考えをお持ちの方々なので前向きな話しあいになるだろうと期待した。この人たちに加えて私たち農業者が3名、消費者が2名が加わって様々な立場からこの度の政策の是非が論じられた。
 番組で紹介された具体的な集落営農への取り組みの様子は2つあり、1つは福島県会津地方のすでに始まっている集落営農組織。これは成功モデルとして取り上げられているが土地改良事業の条件で法人化を求められたようである。(私のすぐそばの地区にも法人化を条件に圃場整備が行われている。)もう1つはどのような形で集落家農を進めて行くか模索する様子が紹介された。この度の施策についてそれぞれの地域、それぞれの立場でみんな悩み、苦労しながら生きていく様子が番組からそれなりに伝わったのではないかと思う。
 同じ農業をしていても、平場と中山間地、雪が降る降らないなどの条件で大きく変わって来る。それらをどうやって克服して行くかが大事なはずなのに農政局長の口からは最初から最後まで「規模拡大こそが農業の生きる道」という言葉しか聞かれなかった。
 この度誕生した戦後生まれの宰相は「美しい国」をキャッチフレーズに登場したのだが本当の「美しい国」を作って行くためにはその基盤に「美しい村」があってこそ実現するものだということをぜひ認識して欲しいものである 


デジガモ2号機 2006.11   No97   

 昨年から地元の長井工業高校と一緒に全自動除草ロボット「デジガモ」の開発を行っている。昨年は世界初の計画?と言うことで試作機の走行実験には全マスコミが集まった。あまりのカメラの多さに驚いたのか「デジガモ」は車輪が泥を掻くだけで前に進むことが出来ずその日の夕方からテレビ、新聞には「デジガモほろ苦デビュー」の文字が躍った。その2日後には車輪を改良してなんとかたんぼを動けるようになったのだが時すでに遅し、みんなの頭の中にはすっかり「動かないデジガモ」の印象が焼き付いた。
 2年目の今年は学校の一角に「デジガモ専用水田」を作り万全の体制で臨んだ。先日2号機が完成し走行試験が行われた。昨年のマスコミフィーバーには及ばなかったものの地元マスコミは3分の2ほどが訪れ関心の高さを知った。
 今年の目標は水田での安定走行と直進や回転などの方向制御の検証である。スイッチオンと共に走り出した「デジガモ2号機」は、すいすいたんぼを走りたんぼの端に見立てたロープを感知し見事方向転換した。
 大成功である。わずか2年でここまで来るとは、昨年の状況を知る人たちは想像以上の進化に驚いた様子である。実用化に大きく近づいたことは言うまでもない。
 喜びもつかの間、翌日の農業新聞に千葉大学で除草ロボットを開発し特許を申請中と記事が載った。こちらは全自動ではなくラジコン操縦の除草機なのだが昨年「デジガモ」が大きな話題になったことからあちこちで開発が試みられている。
 後発に遅れをとらないよう、現在工業高校だけで行っている開発に長井の工業界の力を結集して開発スピードのアップを図るべく各方面へお願いしてまわろうと思っている。


食味コンテストさわのはなV2 2006.12   No98   

 今年も収穫が一段落し、恒例の食味コンテストの時期を迎えた。昨年と同様に各品種出品したのだがやはり本命は「さわのはな」。地元での分析の結果でもかなり良いスコアが出ているのでたぶん本選に残るだろう期待していた。11月中旬、コンテストの事務局から連絡があり、横澤と私の2つとも本選に残ったとのうれしい知らせ。
 私たちが本選にエントリーされたのは「はえぬき・さわのはな部門」で出品数は圧倒的に「はえぬき」の方が多い。分析機のスコアをもとに本選に残ったこの部門の数は3。その2つを私たちの「さわのはな」が占めたのであるから痛快である。本選では30人の人たちがだれの米なのか分からない状態で食べ比べをして一番おいしいと思ったものに投票しその得票の多さで順位は決まる。ひじょうに明快である。
今年私たちは影法師の行脚中で残念ながら本選会場に行くことが出来ないためもう一人長井市から「さわのはな・ひとめぼれ部門」にエントリーされた仲間の小関君に参加してもらった。コンサート会場で結果を待つ。本番直前、電話があり「横澤のさわのはなが金賞」「遠藤は特別優秀賞」といううれしい知らせ。2年連続「さわのはな」で金賞を受賞した横澤におめでとう!。
 この知らせを受けたからと言うわけではないのだがコンサートも大乗。それにも増して打ち上げでのお酒のうまさは格別だった。
 来年も本選でまた2人が競うことが出来るようがんばりたいと思っている。

扉のページに戻る