「本田」での管理
 本田に放す時期

 到着した雛は最初の1ヶ月ほどは1日1日大きくなるのが分かるぐらい成長し、かなり大きくなります。3週目を過ぎたあたりからたんぼに入れる事を前提にして取り組みます。
2週目あたりから浅いプールのようなものを置き、慣らしながら徐々に深くしてゆきます。
 毛が完全に生え代わらないとたんぼに入れるのは難しいとの話しをよく耳にしますが、夜間は小屋に入れることを前提に4週目あたりになれば天候の良い日を選んでたんぼに入れればそれほど心配ないようです。夕方小屋に戻す場合は朝、餌をやり日中与えず夕方小屋に戻ると餌を与えるように慣らした方がアイガモを集めやすいようです。

 
          6月3日初泳ぎ田植え5月15日

作付け計画から育苗まで

作付け計画
 除草剤を使用しないアイガモ栽培の場合は稲の生育とアイガモを放すタイミングが雑草の抑制に大きく影響します。田植えの時期、苗の大きさ、活着の具合などで本田に放す時期が変わってきますから綿密な作業計画を立てる必要があります。その中でアイガモの発注、さらに雛の到着希望日も決定する必要があります。

1 品種
 アイガモ除草栽培を始める方の大部分が有機栽培を目指すものと思われます。当地域で有機栽培に適した品種としてはコシヒカリが多く作付けされています。私たちはコシヒカリと同じように少い肥料で栽培可能でいもち病にも強い「さわのはな」を選びました。窒素成分を多量に必要に必要とするはえぬきなどの品種は避けるべきでしょう。

2 育苗
 田植え後、早い時点からアイガモを本田に投入できればそれだけ雑草の発生を防ぐことが出来ます。それには活着の早い健全な苗を作る必要があります。1箱当たり100gの播種量でプール育苗を行っています。

本田の準備 本田の条件
1 圃場全体が均平なこと。
 アイガモ栽培に限った事ではないのだが水の浅いところには草が生えやすくなります。さらにアイガモは水の浅いところには行かないため高い部分は除草効果が落ちます。たんぼ全体にむらなく動かすためには均平なたんぼが条件となります。



2 畦畔が高い事
 深水管理で草を押さえる事も重要であるが、アイガモが大きくなるにつれ水の深さを増してゆく必要があります。アイガモは泳ぐような体勢で移動するため大きくなるにつれ、水があっても浅い所には行かなくなります。生育に応じて水の深さを増してゆく必要があります。大きくなったら浅い所でも10cm位の深さは欲しいものです。

2 外敵が近寄りにくい場所である。
 アイガモの敵は、犬、猫はもとよりカラスなどよく見かけるものから、めったにお目にかからない狸、ハクビシンなどまでいると言われています。ここ数年の傾向を見ると飼い犬や飼い猫による被害よりも野生の動物によるものの方が圧倒的に多くこれを防ぐには人家に近いたんぼを選んだ方が無難なようである。

4 アイガモの管理をしやすい場所である。
 様々なアイガモの飼育方法があるが、基本的に夜間は外敵から守るため小屋に入れる方法をとっています。そのため、アイガモを複数のたんぼに移動して放す場合はそれぞれに小屋があった方が管理しやいようです。
本田の小屋について
 写真用のような小型のパイプ車庫を使用している。間口1.8m奥行き2.7mここで25羽を飼育している。



適応面積

 一昨年、20aに25羽で始めたが毎日放すと生育の阻害になるため昨年は同じ数を隣接する40aを加え60aを20aの3分割とし状況を見ながらローテーションさせている。



あまり大きな圃場に放すと効率よく全面に動かす事が難しくなる。また、極端に小さな圃場ではアイガモの出入りの部分のロスが面積に対して大きくなるためお薦めできない。15aから20a程度に20羽ほどが良いと思われる。
 条件が許せばアイガモの出入りする部分を調整水田扱いで休耕すればロスは防ぐことが出来ます。



出入り口付近はこのように稲がなくなります。

 

☆ 目  次

   1  はじめに 

   2  「ひな」について

   3  「本田」での管理(現在のページ)

   4  「アイガモ」は稲を食べる?

   5  「外敵対策」

   6  「雑草」が生えてきたら

   7  あとがき

 

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