(l)第一は食味・ご飯の美味しさ 食味に及ぼす要因の影響度の大きい順は、 品種>産地>乾燥方法>実肥(注20)>収穫時期>貯蔵形態>登熟期の温度>生育前期の肥培管埋(注21) といわれている。 最近、各産地が競ってPRに懸命な品種は、コシヒカリの子か孫が殆どで、これらの新米は食味に差はない。間題は夏場の食味である。炊き立てではなく、冷えた場合の食味はどうか。炊飯後の食味変化の少ない品種(コメ)かどうか。この見極めが肝心だ。 「さわのはな」は炊飯後の食味変化が少なく、冷えたご飯の粘りは特に優れている。「さわのはな」は、淡白で、なんとなく甘い感じと香りがして風味がある。また、ご飯粒がなめらかで、粘りと弾力がある。 (2)穂発芽性・胴割れの難易と食味 日本稲の中では、コシヒカリは最も穂発芽しにくい品種とされ、穂発芽粒はたいてい胴割れとなり食味は低下する。また、コシヒカリは穂発芽粒が混入しても、他の品種に比ぺ食味低下は小さいといわれている。 前述のように、「さわのはな」の穂発芽性・胴割れの難度は、コシヒカリに勝るとも劣らず食味は夏場に強い。ちなみに、穂発芽・胴割れの最もしやすいキヨニシキは食味が不評で、穂発芽・胴割れ中クラスのササニシキは夏場に食味が低下するので、人気はコシヒカリに及ぱない。 やはり、「さわのはな」の大きな魅力は、年間を通して食味の変化が少なく、とりわけ、夏場になつて他の品種が味が落ちても、味が落ちない「夏場に強い食味・風味」にある。 (3)「さわのはな」の栽培条件と品質・食味 どの品種も、生育量、籾数、未熟粒、タンパク、アミロースの多いほど品質・食味は悪く、粒張り、粒揃い、光沢、白度があるほど品質・食味はよい。 @土壌・施肥と品質・食味 一般に土壌条件が品質とりわけ食味に及ぼす影響は太きく、排水不良の強グライ土(注22)や泥炭・黒泥土ほどチッソ追肥量や追肥時期によつて食味のバラツキが大きくなる。 A堆・厩肥施用と品質・食味 近年、有機栽培されたコメの開心が高まり、無農薬・減農薬と併せた特別栽培米に人気が集まっている。 B有機質肥科の施用と品質・食味 魚かす・油かす・骨粉等を混入した有機質肥科のコシヒカリの品質・食味に及ぼす影響についての研究(塩口・宮ノ旧992)を紹介しよう。 (塩口ら1992年)
一般に移植時期が遅れると登熟気温は低下し、粒重は軽くなって、タンパク含量が増加するので食味は低下する。また、アミロース含量は、生育が遅れ登熟温度が低いほど高くなる傾向がある。品質は晩植ほど乳白粒、腹白粒が多くなり低下する。一方、高温条件で登熟すると、基白粒、背白粒等の発生が多くなり、光沢も落ち、品質等級は下がる。 ☆ 目 次 0 扉のページ 1 はじめに 7 むすび |